第2章 仲間
「……ん…ぁっ!」
うっかり眠ってしまった私は飛び起きた。
少し眠るつもりがぐっすり眠ってしまうだなんて!
自分のそばには座ったまま眠っている長谷部さんがいた。
一晩中、見ててくれたのだろうか……
刀を癒して刀を疲れさせるなんて、情けない。
「長谷部さんって燭台切さんとは違った男前感があるよね……わぁ、綺麗な寝顔」
燭台切さんがホストなら長谷部さんは……執事辺りにいそう。
いそうよりも似合う。
近くで見ていると本当に整った顔立ちでドキドキした。
私って、結構面食いなのかも。
恐る恐る手を伸ばして頬をつつこうとすると……
「きゃぅっ……!」
長谷部「命知らずが………あ、主!?」
「命知らずでごめんなさい」
押し倒されたような状態になる私。
一瞬のことでわからなかったが思いっきり強く腕を掴まれたかと思うと気づけば背中と後頭部に痛みがあった。
布団の上だから大したことはないが、手が……ものすごく痛くて若干涙目になる。
長谷部「す、すいません!」
「こっちこそごめんなさい。好奇心で触ろうとして……あの、手を離していただけると」
私は布団の上に押し倒されたままだったので、とりあえず、ずきずき痛む腕をなんとかしたくて長谷部さんにお願いするが、長谷部さんはそのままの体制で私を見つめてきた。
間近で見ると、本当に美しい。
「長谷部さん、退いてください……」
私がまっすぐに長谷部さんを見つめてそういうと、しぶしぶ私から離れてくれた。
平常心に見えても、鼓動は早くなっていて胸も苦しいほどだ。
ハートの形の何かが口から出てきそうなくらいに苦しい。
それにしても長谷部さんって……結構、大胆なんだな。