第38章 女子力ってなんですか
「と、とりあえず届けてくれてありがとう。クール便は燭台切さんに渡して、冷蔵庫にいれてくれたらいいから。それでは、お願いします」
ペコリと頭を下げると薬研くんも返事だけをして去っていった。
夢中にさせてくれるなよ……初めて言われたな……。
次郎「アンタって……意外と初々しい反応するね?」
「意外とってなんですか……」
箱をもって先程座っていた場所に座り直す。
初々しいって褒められているのかな?
次郎「てっきりいろんな男をはべらせていたと思ってたから慣れてるもんだと思ってたよ」
「とんでもないこと言いますね……私は必要以上、人と会話などしてこなかったので異性とお付き合いなどしたことがないのですよ」
次郎「ふーん?年若い娘が勿体無いねぇ」
「親が厳しかったので恋愛をしている余裕もなかったので……まあ、愛というものがよくわからないこともあって告白をされても断ってきたんです」
長谷部「告白されたのですか!?」
驚いたように私を見る長谷部に少し驚く。
告白される女とは思ってなかったんだろうな。
みんな見た目に騙されていたと思うし……それよりも告白って意味わかるんだ……。
昔の人なら……想いを伝える?とか告白って言葉があったかどうか記憶が曖昧だな。
「告白といっても私の見た目に騙されて告白してきたんだと思うよ。ほら、えっと……綺麗な装飾品など見ると目を奪われるのと同じだと……私は見た目だけはいいみたいだから」
自分で言ってて恥ずかしくなるな……。
長谷部「見た目だけなんてことはありません!心もとても美しく慈悲深い……まるで天女のようなお方で……」
やめい、照れる。
「て、天女なんて……長谷部は私を美化させすぎだよ」
天女なんて初めて言われたけど……長谷部が私をどう思っているのか知れてよかった。
適当に良さそうな例をあげたんだろうな、と長谷部をみるがその目は本心を語っているようにも見え私は、何とも複雑な気持ちになった。
天女と思われるようなことはしてないのに長谷部の中の私が美化されていくのが、怖い!