第31章 部屋籠り
「よし、じゃあ腕を見せてくれますか」
燭台切「……手入れなんだけど、主さえ嫌じゃなかったら、キスじゃ……ダメかな?」
早速手入れをしようと思ったら燭台切さんにとんでもないことを言われた。
聞き間違い……?
徹夜ばっかして全然寝てないことが原因でついには幻聴まで聞こえるようになったのだろうか。
そうだとしたならやばいかもしれないな。
審神者用の病院何てあるのだろうか。
あったならちゃんと行かないと……
燭台切「主……?」
「……はっ、す、すいません!全然寝てないものですから幻聴が聞こえた気がして……」
燭台切「そういえばぼーっとしているね……熱があるんじゃ……」
「うにゃッ……!」
燭台切さんがキスしたい的なことを言うわけがないってのに今の私はきっとものすごく疲れているんだろうな、くらいに考えていたが燭台切さんが心配そうな表情をして私に近づいてくると思わず変な声が出てしまった。
ち、近い!
ぎゅっと目をつむると額に感じたものに片目をあければどうやら額同士を合わせているようだった。
これはこれでドキドキするのだが……また、変なこと考えそうになった。
燭台切「……キスされるかも、って考えちゃった?」
「そうなんですよ……って、え……」
燭台切「声に出してたよ。また、変なことを考えそうにって」
うわ、まじか。
口元を押さえて後ずさると、燭台切さんは可愛らしく微笑んだ。
美人でかっこよくて、その上かわいいなんてすごい贅沢な人だ。
笑顔がかわいかったり、かっこよかったり、綺麗だったりって……すごいなぁ。
何が、とはうまく言えないけど。