第31章 部屋籠り
「燭台切さんって、本当美人ですよね」
燭台切「え、どうしたの突然……」
「いえ、初対面の時から思っていたんですけど、燭台切さんって私の憧れる美人さん像そのまんまなんですよね」
燭台切「褒められているのかな……? それならありがとう。でも主だってとても綺麗で可愛いと思うよ?」
「……よく綺麗だとか可愛いとか言われはしますが……私からしたら全然そう思えなくって……本当に綺麗だって思ってくれているのならそれはきっと母の血が強く出ているんだと思います」
彼等と会う前から儚い雰囲気がいいとかクールな雰囲気に惹かれましたとか言われたりしたが全然そんなことはない。
儚いっていうのはいまいちわからないが、綺麗って言われても納得いかずに首を傾げてしまいそうになる。
そりゃあ、私だって女だ。
褒められて悪い気はしないし、正直嬉しいと思うけど、こう……ピンとこない。
彼等にも可愛い、綺麗だって言われはしたが彼等の方が美しいために、お世辞なんだろうなって思ってしまう。
けど、彼等の目を見て分かるのは言ってることは本音なのだ。
嘘偽りのない目。
だから、何なのだろう……嬉しいんだけど、ちょっと複雑でもある。
こういう時、何て表現すればいいんだっけな……。
うまく言えなくてなんとももどかしい気持ちになる。