第31章 部屋籠り
「……ごちそうさまでした」
完食した後、手を合わせてご馳走様をする。
そして私はこんなにも美味しい食事を用意してくれた彼に頭を下げて感謝した。
燭台切「あ、主。どうかした?」
「こんなにも美味しい食事を用意してくれてありがとうございます。歌仙さんや燭台切さんが用意してくださる食事は本当に美味しくて……私、こんなに美味しいご飯食べたの初めてなんです」
燭台切「そう言ってもらえて嬉しいけど、大袈裟じゃないかな」
「大袈裟だなんてことはありません! お二人の作ってくださるものは本当に暖かくて美味しいんです。気持ちがこもった本当に美味しいもので……」
燭台切「……ありがとう。歌仙くんにもそう伝えておくよ」
彼の微笑みにドキッとする。
本当に顔がいい。
毎回、顔を合わせたら思うことではあるがかっこいい。
美人でかっこよくて料理ができて優しくて包容力があって……私が欲しいと思える要素全てを持ってるなんて、なんて羨ましい!
みんな美人だしかっこいいし可愛いしで、美人でも可愛くもない私が隣に並ぶなんて恐れ多くてできないけど、彼等の主として恥ずかしくないよう今後も成長していかないとな。
「それでは燭台切さん手入れをしましょうか! お腹もいっぱいになりましたので今なら瞬間手入れとかできそうな気がします!」
燭台切「瞬間手入れか……それはすごそうだ。でも僕としてはすぐに終えてしまう手入れっていうのは勿体無いと思っちゃうな……」
「効率を考えるのなら早くて困ることはないかと思いますよ? 今はみんな軽傷で済んでますが重傷になった日には……私のメンタルが持たないだろうな……見える傷は手入れとかで治せても心の傷までは治せないので悩んでしまいます」
心に刻まれた傷を簡単に癒せたらいいが、そこは審神者次第……つまりは私次第ってことか。