第31章 部屋籠り
燭台切「じゃあ、お願いしようかな。僕のことは後ででいいから先にそっちを食べて欲しいな」
「え、でも……」
燭台切「昨夜はあまり一緒にいられなかったからね。今は君のそばにいたいんだ……だから食事が終わるまでここにいてもいいかな?」
「……構いませんよ」
昨夜、彼を追い出したのは私だ。
罪悪感もあったし燭台切さんがここにいたいと言うのなら今はいいかな。
身体も何ともないし、食べるのは私だけとはいえ食事中に誰かがそばにいてくれるのは嬉しいし。
「それじゃ、いただきます」
燭台切さんが持ってきてくれた昼食はハンバーグにご飯。お味噌汁とサラダという食欲のそそられるものとなっていた。
でも現在の本丸は金欠でお肉なんて……と思いながら箸を手に一口食べてみると……
「あ……美味しい」
燭台切「よかった……乾パンが大量にあったから何かに使えないかなと思って豆腐と乾パンで作ってみたんだ」
女子力というか料理スキル高いなこの人。
あの乾パンをどうしようかと考えてはいたがまさかこんな使い方があったとは驚きである。
刀剣男士の数も多いし、金欠の我が本丸には本当に助かる。
私自身、料理ができないわけではないが、シンプルなものしか作れないし燭台切さんがいてくれてよかったとしか言いようがない。
こういうの嫁に欲しいって言うんだよね。
正しく旦那様よりお嫁さんにぴったりな人だ。
味噌汁茶碗を手にしゆっくりと飲むとこれまた私好みの味で感動すらするほどであった。
こんなにあったかな食事はこの本丸に来て初めてだったのでここに来て本当に良かったと思えると同時に政府の人に心から感謝をしたくなる。
審神者になって……よかった。