第1章 始
ロイヤルプリンスの人は私の後頭部を手で押さえたまま離そうとしない。
この人、起きてるよね!
そう思っているとにゅるっとしたものが口内に入ってきたことに目を見開きながらとりあえず軽めに胸板辺りを叩いて抵抗を試みるも口内で逃げ惑う舌を捕らえられてきつく吸いついてきた。
ちゅう、と濡れた音が耳に響いてくるために私の頭のなかはとんでもないことになりつつあった。
「んんっ……!」
いや、これ……霊力を吸い取られている気がする!
一分、二分と長々と続けられ息も続かないのもあって力が抜けそうになっていた頃にやっと解放してもらえた私は身を起こすとそのまま後ろに倒れた。
加州「あ、主ーッ!」
頭の整理が追い付かないことをされた私は最後に清光の声を聞いて意識を手放した。