第15章 嬰壱点イ 女心〜幸村〜
「痛い。」
「あ!……っ。わ、わりー……」
シーン
「何か言ってよ。」
「お、お前が悪いんだろ!!」
幸の顔が真っ赤だ。
「……で、なんでお前がこんなところにいるんだよ……」
なんて言おう……
「えっと……城下に遊びに行っていて信玄様とお団子を食べて森に迷って、今に至る。……かな?」
「なんで、疑問なんだよ……。ほら、お前どこに住んでいるか教えろ。連れて行く。」
……
へ?
幸が……?
「え、大丈夫だよ!」
「大丈夫なわけないだろーが。ほら行くぞ。」
幸は、顔を真っ赤にさせ私の手をとる。
「ありがとう……」