第15章 嬰壱点イ 女心〜幸村〜
「いててて……」
「悪い……ってあの時のイノシシ女じゃねーか!!」
は?
今なんつった?
そこにいたのは、女心がわかっていない幸であった。
「あ、幸。」
「なんで知ってんだよ。」
「信玄様に教えてもらったから。」
幸は、はあとため息をつく。
「あの人は……?」
私はある疑問が浮かぶ。
「ねえ、幸はなんでここにいるの?」
「信玄様を探してるんだよ。」
幸は立つと私の手を引っ張り立たせる。
「ありがとう。信玄様は、多分とっくに帰ったと思う。」
「本当か!?」
幸は、ガシッと掴む。