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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第11章 世界にひとつだけの花


【揺るぎない想い】






住所、年齢、生年月日

職業、学歴

家族構成、友人関係

女の噂etc…


実物も見たし、写真で確認しても……





「……どうして……」





スタイルも顔も平均以下

学歴だって、仕事だって何もかもが普通

特に…優れた面なんて見つけられない


女の噂だってひとつもない


そりゃ、悪い噂がないには越した事ないけど、


ただモテないだけでしょ


こんなヤツと、小百合姉ちゃんは結婚するの?


どう考えたって、釣り合わない


こんな男が相手なら、俺の方が釣り合うよ


写真の中の、お人好しの塊みたいな男


小百合姉ちゃんは、優しいから……同情してんだよ


写真をピンで刺し、


じっ…と見据えた





眠っていた感情


親を捨ててから、心の奥に沈めてた


そこに触れないよう、穏やかな時間を刻んできた


俺には、小百合姉ちゃんしかいないんだ


こんな男に彼女を幸せに出来る?


出来るのは僕だけだ


彼女だけを想って、
こんなに一途に恋い焦がれて……


どうして

どうして?


一生、彼女の隣にいるのが、自分じゃないと思った途端


よく知りもしないこの男に、心底腹が立った


どうしようもない嫉妬心が体中を支配して、


そのうち僕は、それしか考えられないようになっていた










「そうか…そうだよね」


僕が経済的に安定して、準備出来たら


小百合姉ちゃんは気付くだろう


正しいパートナーは誰かを


まだ僕が頼りないから、気付いてないだけなんだ





準備しようと

手っ取り早く稼ぐ為に、夜の繁華街に足を踏み入れた






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