第11章 世界にひとつだけの花
【未来予想図】
高校を卒業すると同時に、施設を出る事は、入った時から分かっていた事で……
だから僕は、寂しいというより、早く大人になって自立して、あなたに恥ずかしくない大人になりたかった
「ゆうくん、大学進学は本当に良かったの?
君の成績なら、奨学金だって……」
「いえ。いつまでもここで甘えるわけにもいかないので」
「甘えるだなんて。ゆうくん、私はね、君を本当の息子みたいに思ってるんだ」
「はい。感謝してます」
神父様…おじさんがいなかったら
僕は、きっと存在してなかっただろう
「それでね。ゆうくん、君さえ良かったら考えて欲しいんだ」
「え?」
「養子になってくれないか?君なら、私も安心して」
「えっ、でも……後継ぎなら、いつか小百合姉ちゃんが……」
そりゃ、そうして僕が
おじさんと親子になれたら幸せだけど
養子になったら、小百合姉ちゃんとは……
「あれ……聞いてないか?」
「え……?」
「小百合は、結婚するんだ。
……今年中には家を出るんだよ」
結婚…?
小百合姉ちゃんが…?
ずっと側にいて、6歳年上の小百合姉ちゃんに彼氏がいるのは知っていた
仕方ないとも思ってた
僕はまだ、何も出来ないガキだからって
でも…結婚だなんて
想定外で、僕は頭の中が真っ白になった
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