第58章 初恋の再会
––桐生side—
「あれは……」
先ほど気絶させた花宮という男と一緒にいた銀髪の男を見つけました。コンビニ袋を持ち何処かに向かっているご様子。
1人分にしては多いですね…
さっきとは…反対側へ向かっていくご様子…
案内してもらいましょうか…
彼の持っているコンビニ袋には大量にお菓子の袋やおにぎりが入っているのが確認でき、気づかれないようにそっと後をつけました。
「花宮、終わるまで暇だし…ゲームでもしてよっかな〜」
ある古びた小屋まで来ると中へと入って行く。
主に園内で整備ように使う敷石や工具などの資材など保管している倉庫で、小窓から中の様子を盗み見た。
「ザキ……?何してんの?」
「くっ…見てわかんねえのかよっ!早く解けっ!
逃げられたんだよっ!」
「……マジ?…で…先輩はどこ行ったの?」
「知るかっ…いいから早く解けよっ!」
言い争う2人のやり取りを聞くと、笠松様は自力でこの場から逃げ出したことを悟り、笠松様が次に向かった先を考え…お嬢様が閉じ込められていた小屋へと急ぎ足を進めた。