第58章 初恋の再会
––桐生side—
「ちょっ…待ってっ…!
笠松先輩が…私のせいで……
どこかに監禁されてるみたいでっ…
私…探さないとっ…!」
私の腕を振り解いて、再び公園に戻ろうとするお嬢様の腕を強く掴み再び引き止める。
「落ち着いてください。笠松様は私が探します。お嬢様は…」
策もなしに再び戻ろうとしているお嬢様を引き止め、安全な場所に移そうと言いかけようとした時…普段見せないような悲痛の表情に言葉が詰まった。
このままここから離れたくない…
笠松様が心配でたまらない…
今すぐにでも助け出したい
涙がこぼれそうなほど、瞳が潤み…悲痛な瞳で訴えるお嬢様に言えるはずもなく言葉を飲み込んだ。
* * *
お嬢様を人通りが多い場所…
イベント会場で待つように伝え、笠松様の捜索を開始しました。
笠松様は私より背が低いですが←
決して小柄な部類には入りません。
男1人を閉じ込めるような場所ならある程度絞られますが…とりあえず最後に笠松様とお嬢様が別れたコンビニ付近まで戻るとしましょうか…
電話を掛けたとすれば…
この辺りですかね……
ここから拉致されたのなら……
コンビニの周辺にお嬢様が拉致された倉庫のような場所を探しましたが見つからず……他のエリアを探しに行こうと思った瞬間、見知った顔が視界に入った。