第58章 初恋の再会
––桐生side—
お嬢様が向かった先–––
公園へ到着してから、お嬢様と笠松様を探しましたが…人混みが多いせいか見つけることができず…一旦イベント会場から離れて探すことにしました。
「てっきり、ここにいると思いましたが……」
ストリートバスケのイベント会場から出て、他のエリアを探しに来ましたが…予想通りほとんど人がいるわけでもなく…その場から離れようとした瞬間聞き慣れた女性の悲鳴が聞こえた。
「きゃっ⁉︎…いっ…嫌っ…触らないでっ…!」
聞き覚えのある声の聞こえた方へ向かうと、お嬢様がいた。すでに気絶していて近くの倉庫に同年代の男2人と入っていくのが見える。
「…っ…あれは…確か…」
倉庫の外観を観察して、2階の窓から中へ静かに侵入すると気絶したお嬢様は床に転がされ…男2人はお嬢様を見ながら話をしており、バレないように物音を立てずに近づいた。
「花宮ってさ…いつも聖知ちゃんから逃げられてない?俺居なかったらやばかったよね。」
「ハッ…余計な事しやがって…誰も頼んでねえだろ」
「いや…だってさ…今日も失敗したら流石に……これ以上おあずけ食いたくないし」
「……勝手に言ってろ」
2人の会話をら聞いていると計画的に行動を起こした様子が伺える。
花宮真…
危険人物だと思っていましたが……
なぜお嬢様にこだわるのか…理由はわかりませんが…
今は…すぐにでも救出しないといけませんね
ふと部屋の構造を観察し黙視して調べていると、お嬢様の目が覚めたようでゆっくりと身体を起こそうとしていた。