第58章 初恋の再会
「いっ…嫌っ!…っ…誰かっ…!
…助けっ…んっぐッ…」
「往生際が悪いんだよ…黙って抱かれろ」
花宮の仲間の1人がドアを開けた瞬間、大声を上げても花宮の手ですぐに口を塞がれ…再び耳元で囁かれると恐怖で涙が溢れる。
幸男さん…
ごめんなさい……
ごめんなさい……
何も抵抗ができず…このまま好きなように弄ばれる
心の中で幸男さんに何度も謝り、今にも溢れそうな涙が頬を伝う。
花宮が私の衣服に手をかけた時それは突然起きた
「っ…ぐっ……」
「っ……」
部屋の明かりが突然消えて真っ暗になり、何も見えなくなった。
花宮の唸るような声がすると、ふと身体が浮いたような様に感じ、まるで誰かに抱き抱えられているような感覚を覚える。
「っ…⁉︎」
真っ暗で何がなんだかわからなくて急に外の光が視界に差し込み、思わず目を閉じる。
「やれやれ……本当に貴女は…変な男ばかり好かれますね。」
「っ…き…桐生…っ…⁉︎」
開かれた窓から陽の光が差し込むと、燕尾服姿の桐生が呆れた言葉を吐きながらも穏やかな表情で私に微笑む。
2階の窓から外に出ると軽々と飛び降り、その場から離れた公園のベンチへと降ろしてくれた。