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【NARUTO】人狼といっしょ。

第3章 怖いほど。




「ちょっと、失礼するわ。の部屋に案内して欲しいんだけど」
茶の間の戸を開けるとカカシにべったりするオビトとリンが居た。テーブルに並ぶ酒と小鉢を見てイライラを抑える。
「紅?」
「あーくれないー!のもー!」
「のむぞー!」
「で、の部屋どこ?」
「隣の隣のだけど、なに、なんかあったのか?」
「何も無いわ、愉しんでて」
「くれないー!!ほらー!たべてー!」
「のむぞ!くれないー!」
泥酔している二人が詰め寄るのを無視しようとするが、二人に肩を掴まれた瞬間ブチッと切れた。
「美味しそうな鯖味噌ね、二人の差し入れ?」
「んーや冷蔵庫にあったの」
「まだまだあったから食べてしまわねぇとな」
「そう、なら。奥さんが作って弁当のおかずにしようとしていたものね。小鉢に入れて翌日の弁当に使うつもりだったのでしょ?」
二人はぴたりと止まる。
「あぁ、それともカカシが作ったのかしら。独身長かったものね。にしても、随分な品数ね。みりんさえ置いてなかったアンタの独身時代とは違うのね」
「紅、お前」
「その酒、イタチや綱手様が彼女の記念日に送っていた日本酒ね。良い事がある日に少しずつ飲んでるって前に言ってたわね。どう?おいしい?感想伝えとくわ」
凍てつく空間に二人の腕を抜け出し、の部屋を目指す。
埃っぽく、使ってなさそうな部屋の電気をつけると虫食いの着物が掛けられていた。
長年置いとけばそうなっても仕方ない。
手早く着物を抱えて、引き出しを開けると薬をみつける。手にすると、ぽとりと落ちた何かに視線を向ける。
赤色のリボンだった。
持ち上げるとしっかりとした作りのリボン、狼と記されていた。
カカシが、送ったのではないならただ一人しかいない。そっと引き出しにしまい、立ち上がる。
「なにしてんの、そんな大荷物で」
「なにもしてないわよ。お邪魔したみたいね」
「紅」
「なに?恋人が待ってるわよほら」
「カカシ…」
「おやすみなさい、カカシ」
そう言って立ち去る。
着物屋に服を置くとなんでこんな高い代物をこんなふうにと怒られ、何とかお願いと言い家に戻る。
帰るとアスマとが言い争いをしているいつもの光景に笑ってしまう。
「おかえり」
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