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【NARUTO】人狼といっしょ。

第1章 泣き虫な子。




女の香りがする。
わざとなのだろうか、癖なのだろうか。
そう考えることもしなくなった。
どうせ、偽りの夫婦なのだから。
結婚するとき全てを捧げると決めたから、恋愛を貴女にし始めて二年。
何も変わらなかった事を想い出し、柔しい感情が静かに溺れて死んだ。
「お帰りなさいませ、旦那様」
余計な一言を。
自分の気持ちを添えるのはやめた。
悲しくなるだけだと学んだのは一年前。
「……ただいま」
素顔を見たいと願った。
それが我儘なのだと知った。
「ご飯はよろしいですか?お風呂の支度は済ませておりますよ」
あなたの事を知りたいと努力した。
それが貴方を困らせるものだと理解した。
半年前、やっと自分のやるべき事がわかった。
「ご飯はいいよ、お風呂入ってくる」
「部屋着とタオルは後ほどお持ちしますね」
後ろ姿に話しかける。
猫背が移りそうと、思いながら姿が見えなくなった旦那様を追う。
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