第12章 やっぱり。
「リンちゃん、君の友人なんでしょう?俺の友人でもあるんだよ、ねぇ、君はリンちゃんの友人に爪を立てるの?牙を向けるの?」
わからないけれど、怖かった。
じりっと、近づく度にぞわりとする。
笑っているのにサクモと似た顔で微笑んでいるのになんで、怖いの?
「む、む、けない。むけないよ!リンちゃん悲しむのやだもの!」
「ほら、人狼は愚かな程優しいね」
クスクス笑う男。
ピンッと、鎖が張って、動けず戸惑う。
近づく男の影、男の足。
「ほら、人の姿になって見せてよ。ねぇ」
「や、やだ!やだ!」
「やだ?人狼は人間に逆らうの?ほら、その大きな爪で俺を傷つけるの?」
「ち、ちがう!ちがうもん!」
「人殺ししか出来ないもんね、人狼は」
「ちがう!は、はそんな、んじゃ、ないもん」
しゅるりと人の姿になるは座り込み泣いていた。
白い着流しを纏っているだけ。
「そうだね」
彼女の、首には確かに輝くネックレスが首にはあった。
知っていた。
全て勝手に選んだ彼女の臆病と優しさだと。
「、愛してるって言って。そうしたら優しくしてあげるから」
「なにを、するの?」
何も知らない瞳。
「ほら、言ってよ」
それが凄く愛おしく、凄く、、
「あい、してる⋯?」
悲しい。
「最初からこうしていれば良かったのかな、ねえ、。俺の子供をちゃんと孕んでね」
逃げられない彼女を捕まえて、無抵抗で何もわからず不安がり涙を流す姿。
わけも分からない自分の感情。ただただ、誰を責めるべきか。