第9章 愛痛い。
「はぁああああああ?」
カカシはただただ、呆れていた。
小さな手紙には「カカシ様、お疲れ様です。お身体に変わりはございませんか?
私事ですが少しの間お暇させていただきます、サクモ殿には許可を頂いておりますので御安心下さいませ。何時までとは言えませんがそちらの家にまた、厄介になるやも知れませんがその時はまたお願い申し上げます。
より」
肝心のサクモはどうやら昨日から留守の様だった。
置き手紙には「少し出てくる」と書かれていて大きな声を出そうとし、深くため息をつく。
が何故離される?
何故⋯父さんが見張っているはずだろう?
何故⋯
そう考えているとガタガタと玄関から音がする。急ぎ駆けつけると、リンとオビトが真っ青な顔をしていた。
「カカシ!居るか!?」
「あのね、驚かないでねさんがね!」
「居ねぇならきっと上層部の決定だ」
「4代目の子供の姥役になったの!」
「お前との接近禁止令と、婚約解消を訴えてる」
「それも、ほぼ無期限なの!」
「あんのクソババァジジィが勝手に決めたらしい」
「どうしよう、さん里の中心部でなんて暮らしたことないよね⋯」
「うちは一族以外はに接近することを禁ずるってことらしい」
「本当に孤立しちゃうよ、あんなに、あんなに⋯好きなのに⋯どうしてっ」
「どうするんだよカカシ!」
「どうしよう!カカシ!!」
ふらりと目眩がした、一変に言われて何が何やらだが、情報量が多すぎて座り込む。
オビトからもう1回と言えば同じく説明され、リンにもと言えば繰り返され把握する。
父さんの言っていた意味が解った。
あの娘は幸せになれない子だと
そうか、そうきたか。
額を抑える。
は何もしていない、なのに、何故そこまで言われなくてはならない。
されなくてはならない。
何故ばかり。
一通り考えつくナゼを深いため息で吐き出す。
二人の心底心配している顔を見てニコリと笑顔を貼り付ける。
「オビト、リン、これからは頼る事が増えると思うけど、いい?」
嬉しそうに頷く二人に深く感謝した。