第8章 婚約者。
目が覚めると沢山の香りがして、慌てて起き上がる。
あれ?サクモさんの布団だ。
私いつから寝てるの?いつ帰ったの?どうして、サクモさんの布団に?
そろりと、部屋を抜け出すとまだ外着の事に気が付き髪の毛を手櫛でならしながら、茶の間に向かう。
「おはようございます⋯?」
人の気配にそう口にすると、驚いた。
「まぁ!こ、これは」
「、おはよう」
「主役だ!主役!!ほら!こっちにおいで」
がやがやと宴会状態。
何事なの!?と目をぱちくりさせると、カカシ様がここ見てと指を指す。
茶の間に入り振り返り、ゆるりと上を見て固まる。
「こ、んやく、ぱーてぃー⋯まえ、いわい?」
「さん!いつでも、オビトに乗り換えていいからね!!!」
ソコソコ出来上がったリン。
「!カカシなんてやめて私のとこに来なさい」
出来上がった紅。
「なんでいっっっつもカカシなんだよぉ!」
完全に出来上がったオビト。
ゲラゲラと笑い声が響き腰が抜ける感覚にぎゅっと抱き抱えられ驚く。
「か、か、かし様、これは⋯」
「、お前は何個か勘違いしているよ」
少し廊下に出ようと、言われ茶の間を出て戸を閉めた。
ガヤガヤとする茶の間とは対照的にヒヤリとして静まっていた。
「たぶん、凄く俺はやきもち焼きで、誰にも、そうだね、もう他の自分にもとの時間をあげたくないんだよ」
「ぇ⋯⋯?か、かかし、さ、ま?」
にこやかに微笑むカカシ様。
けれど、知らない。
「、隠して閉じ込めてる余裕なんてないんだよ、だから、覚悟してね?」
「ちょ、ちょっと待ってください、カカシ様!な、なにか、変です 」
「変?どうして?、君は夢がある目標がある愛がある。俺にもねあるんだよ、失いたくない、死にたくない、俺が護りたいって」
言葉を失っている。
「これは俺がを誰にも奪われない為の行為だよ、誰にも触らせない、誰にも許さない、君はもう俺の下僕でも、ないし、俺も君の監視者ではないんだよ」
息が止まった。
そう、彼は何一つ間違ったことを言っていないのだろう。
何故私は怖いと思うのか、自分の中で答えが見つからない。