第7章 恋をした。
「こらこら、カカシ、と何をしているんだい?」
父親の足音にうなだれる。
襟首を掴まれ、布団に戻される。しゃがみこんでにこりと微笑む父がこんなに怖いと思ったことはない。
「だめだよ、にちょっかいをかけちゃ。居なくなられたらこまるんだからね」
「そんなんじゃないよ…第一俺だってには」
「、着物が乱れてる」
そう言って父親はの着物を直していた。
「まったく、うちの息子には困ったものだね」
「どうしてですか?カカシ様は私に恋をしているんですよ」
のセリフに赤面してしまう。
よりにもよって父親にそれを言うんだから、ちらりと表情を見ればにやにやとしていた。
「はどうなんだい?」
「わ、私は…わ、わかりません、けれど…嬉しかったです」
「それは良かったね」
「はいっ」
そう、どこでも彼女がいるだけでひだまりのような居心地の良さ。今ならその空気を全て受け入れられる。
「でも、これからオビトくんとデートだろう?」
「え!?」
「あぁ!そうでした!!大変です、まだ服も決まっていないのにあぁ、どうしましょう」
俺が寝ている間にオビトはリンと一緒になってをデートに誘ったと。
そういうわけか。
そして俺は今目がさめて、ゆっくりした時間が過ごせると思いきや、はオビトとデートに行くと。
「それは、させ、させあぁぁ」
「ほら、お前は脳震盪だってさ、もうしばらくゆっくりしてなさい」
「か、カカシ様も一緒に行きたかったのですか…?」
のとんでも発言に頷いた自分をみて父親は顔を背け背中を震わせていた。
薬をのんで、吐き気やめまいは収まっていた。
指の感覚も戻りなんとか準備を済ませると、は何故か洋服を着て茶の間に姿を見せていた。