第7章 恋をした。
目が覚めると、何故か泣きそうな顔をしたの表情が見えた。
「わかりますか?カカシ様、私のことわかりますか?ちょっと待っていてくださいね」
そばを離れようとするの手を掴む。
「傍に居て」
「…ですが…わかりました…私はなにも看病はできませんよ」
「が居てくれればいいんだ」
「…私が…ですか?」
「そう、だよ」
頭痛とめまいがしていた。
「は大丈夫なの…怪我‥」
「カカシ様…」
三日前の話ですと、おずおずと言っていた。
あぁ、自分の方が重症だったのかと理解する。
自分の部屋で寝ていると気が付くと、の部屋だったことに思い出す。
何もなかったあの部屋は、きっと準備だったようにしか思えなかった。
「」
「はい」
「俺が死ぬまでは生きていて」
ふと見上げるとは目をくりくりとしてぽかんと口を開けていた。
起き上がり、を抱きしめるつもりが覆いかぶさってしまう。うまく体に力が入らなかった。
「死なないで欲しい、一緒に生きてほしいんだよ」
「…人狼は、死を待たれるものですよ」
「知っているよ、けれど…いやなんだよ…に死なれるのが」
わがままでごめんねと言えばは優しく頭を撫でてくる。
「カカシ様…私は強いですよ、そう簡単には死にません」
「そうじゃなくて、そうじゃなくてね」
少し声をはると頭痛に響く。
ふわりとの香りがして、ほうっとする。
顔を上げるとは目をまるくしていた。
「ずっと一緒にいたいんだよ」
「ずっとっていつまでですか」
「なら、俺が死ぬまではってことで」
は金色の瞳をキラキラとさせていた。
下唇を噛むような仕草をやめさせようと、手を伸ばすとぎゅっと掴まれる。
「それは…それは、恋でしょうか」
の言葉に吹き出してしまう。
うん、そうかもしれないね。と言えばカカシ様は恋を存じないのですかと言っていた。そうだね、あまり経験はないねと言えばまた目を丸くしている。
少しずつ、恋をしよう。
逃がしはしないから。
今度こそ。