第2章 出会い
─────────────────
───────────
手を繋ぎ、肩を並べて歩く兵舎への道のり。
何でずっと繋いでるのか分かんねぇけど、今更離すのもオカシイか?と変に勘ぐってしまい、離すタイミングが見つからない。
繋いだ手からはミサキの体温が伝わって温かかった。
『ねぇ、訓練兵って何?何の訓練をするの?』
隣に並ぶミサキから、素っ頓狂な質問をされる。
そんな事も知らねぇのかよ……
まぁ、記憶が曖昧なら仕方ねぇか。
「巨人に対抗する力を付ける為だよ。まぁ、名目上がそれってだけで、所属兵科によっちゃあ戦闘は避けられるんだがな。」
配属先は3パターンある。
ここに来るやつのほとんどは俺が言うように、戦闘を避ける為に配属される憲兵団狙いのはずだ。
ミサキを見ると訝しげな顔で俺を見ていた。
『巨人?戦闘?何で対抗するの?』
……こいつ本当に何も分からねぇのか?
「巨人が人を食うからだよ。まぁ、それは今から行く場所にいる教官にでも詳しく聞けばいい。」
そんな話しをしながら暫く歩いていると、兵舎が見えてきた。
広い敷地の中では芋女が走る姿。
すげぇ……
まだ走ってんのかよ。
「あー!あいつ、憲兵団に行きたいっつってた奴だよな?可愛い子と手ぇ繋いでるぞ!」
遠くから聞こえた声に顔を向けると、坊主のチビが俺達の方を指差していた。
確か、敬礼間違えてたバカだったか?
チビの周りには5人。
ハッ!
バカの相手はしてらんねぇ。
「おい、少し急ぐぞ。」
俺はミサキの手を少しだけ強く握ると足早にその場を後にした。