第2章 出会い
怯える瞳
震える身体
そんな姿を見せられ、思わず顔を逸らす。
差し伸べた手に、小さな温もりを感じたので女の方に向き直ると、女の少し捲れたシャツから最近のものであろう生々しい痣が見えた。
「………その痣は……?」
もしかして、手を出した時に怯えたように見えたのは、これが原因か?
女は目を伏せる。
俺とそう変わらねぇくらいの女は、一体どれ程の闇を抱えているんだろうか。
少し力を入れてしまえば、簡単に折れちまいそうな身体に眩暈すら覚えた。
「いや、悪りぃ。こんなことは聞くもんじゃねぇな。」
絵に描いたように美しいこの女にこんな痣を付けるなんて、そんな奴に吐き気がした。
そして思ってしまったんだ。
───俺ならこの女を守れるのに、って。
「……なぁ。」
この想いがなんなのか分からねぇ。
自分が何をしたいのかも分からねぇ。
ただ……
「………アンタの…名前は?」
女の事を、知りたくなった。