第28章 forever
《智side》
翔のふっくらとした唇にキスをする。
松本に触れられた場所に上書きするように丁寧に丁寧に口づけた。
なんだかんだ言ってもやっぱり他の男に触れられるのは悔しいんだよな…
翔が俺を誘い込む様に唇を開くから遠慮なく舌を差し入れると翔が積極的に舌を絡めてくる。
今すぐ押し倒したい衝動に駆られるがここでするのもな…そう思って翔から離れ翔を見ると『何でやめちゃうの?』とでも言いたそうに潤んだ瞳で俺を見つめてくる。目で語るとはこの事か…
そんな顔しなくてもすぐに続きしてやるよ。
翔を抱き上げると驚いたようで俺の首に掛かっていた腕に力が入った。
「智さん⁉」
「お前が誘ったんだからな?」
「えっ⁉」
風呂場を出て寝室へ向かう。
「智さん、どこへ…」
「ベッドに決まってるだろ?」
「え、ちょっ、待って…」
「待たないよ」
そんな表情見て待てるわけないだろ。
寝室に入りそっとベッドの上に降ろした。
ベッドに座る翔のすぐ目の前に四つん這いで近付くと翔は少し困ったような表情をする。
「智さん、俺まだシャワーしてない…」
「モタモタしてたお前が悪い」
「でも…」
「でもじゃないよ、自分で誘っといて何言ってんだ」
「誘ってなんかない…」
あんな瞳していて誘ってないなんて…ほんと自分が見えないヤツだな。
「じゃあやめるか?」
そう言えば黙り込むし…無自覚なお前には言ってやらないからな、自分の思いは自分で言えよ。
「……やめない」
「素直でよろしい」
キスをしながら翔をゆっくりと押し倒した。