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恋歌 《気象系BL》

第28章 forever


《智side》

俺の胸にもたれ掛かる翔をずっと抱きしめていけど、時間的にも遅いし色々あったから休ませてやった方がいいよな。

「翔、疲れただろ?今日はもう寝よう?」

「…はい」

俺からゆっくりと体を離す翔。

「俺、シャワーだけしてきちゃうんで、智さん先に寝ててくださいね」

「いいよ、ここで待ってる」

「じゃあ、急いでいってきます」

「慌てなくて大丈夫だから、俺少し寝たからそんな眠くないし、それにここ片付けるから」

テーブルの上に出しっぱなしのつまみと空き缶を指差した。

「わかりました、慌てない程度に急いで入ってきます」

ニコッと笑い立ち上がると風呂場に向かった。

俺も立ち上がりテーブルの上を片付け、使った食器を洗って翔が出てくるのを待った。

急いで出てくると言っていたのになかなか戻ってこない翔。
シャワーだけだよな?あれ?でもシャワーの音聞こえてきてない。どうしたんだ?

不思議に思って風呂場へ向かった。やっぱり水音は聞こえない。

『ふっ…うっ…』

翔?泣いてる?

「翔?どうかした?具合悪い?」

ドアの外から声を掛けると慌てたように返事が返ってきた。

『いえ…大丈夫、です…』

大丈夫って言われても確実に泣いてる声だよな。

「翔、開けるよ?」

『やめっ!あ、けな、でっ!』

そう言われたら余計に心配になる…さっきまで何ともなかったのに。

「翔、開けるからな」

ドアを開けると上半身だけ洋服を脱いだ状態の翔が自分の体を抱きしめるように踞ってた。

「翔…どうした?」

「な、んでも、ない、です…」

「なんでもなくないだろ、そんな格好で泣いてるんだから…」

「ごめんな、さい…すぐに戻るから先に寝ててください」

顔を上げようともしない翔の前にしゃがみこんだ。

「どうしたんだよ?」

翔の両肩を掴むとビクッと震えた。漸く顔を上げた翔の顔はやはり涙で濡れていた。
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