第3章 モルヒネを追って
「…………」
首を絞めるようにしてナイフを突きつけられ、婆ちゃんの眉間にシワが寄る。
額にはうっすらと脂汗が浮かんでいた。
「……ミズキ、やめろ」
「お前がチームに入るならやめてやるよ」
「……っ」
ミズキからの脅しめいた返答に二の句も告げられなくなる。
婆ちゃんは顔を強張らせて目を瞑っている。
それが観念してるようにも見えて、俺の中で焦りは増していくばかりだった。
「婆ちゃんを放せ…っ」
「わかんねェヤツだな。だから言ってるだろ。俺たちの仲間になれよ」
「嫌だっつってんだろ」
「あ?」
堂々巡りだと分かっていても、言い返さずにはいられなかった。
だが、ミズキの顔に露骨な苛立ちが表れる。
「ただの脅しだと思ってんのか? どうせ口だけだろうって? ……いいさ、だったらやってやるよ」
「おい……」
「ここで俺たちの仲間にならなかったこと、俺に舐めた態度を取ったこと、後悔すんなよ」
「おい、ミズキッ、やめろ!!」