第3章 モルヒネを追って
「……それ、本気で言ってるのか」
「当たり前だろ? 冗談に聞こえるのか? これでドライジュースは絶対的な存在になったんだ」
虚空を見つめていたミズキの眼差しが再びこちらへと向けられ、それを目に捉えてゾッとする。
金色の双眸には狂喜とも呼べる濁った色が浮かんでいた。
「モルヒネ以外、どこのチームも俺たちを超えることはできないってことだ。はは、はははははっ!」
ミズキが大きく口を開けて歪に笑う。
その表情は不気味で……狂っているとしか思えなかった。
周りにいる他の連中はこんなミズキを前にしても、微動だにしない。
みんなあの人形みたいな目をしてるのか。
あの、誰かに操られてるみたいな……。
「ミズキ、目ェ覚ませよ…! お前、言ってることおかしいぞ」
「は? 何言ってるんだよ。おかしいのはお前の方だろ、蒼葉」