第3章 モルヒネを追って
「お前……どうしたんだよ、何があったんだ。ドライジュースがいきなり消えて、俺も紅雀もすげー心配して」
「あぁ、それか」
それがどうした、とでもいうような態度であっさりと頷くミズキ。
こっちの心配など、微塵も気に留めていないようだった。
それどころか、何か異様に興奮した口調でミズキは信じられないことを語りだした。
「なぁ、聞けよ蒼葉。すげーんだぜ。俺たちドライジュースはな、あのモルヒネの一員として生まれ変わったんだ」
「モルヒネ……?」
「そうだ。伝説のチームに認められたんだぜ? 他のリブなんて目じゃねぇよ。モルヒネは神みたいな存在だからな」
貼り付けたような笑みが恍惚としたものへと変わる。
ドライジュースがモルヒネの一員として生まれ変わった?
伝説のチームに認められた?
更にはモルヒネを神だと例えるミズキ。
俺は自分の耳を疑わずにはいられなかった。