第3章 モルヒネを追って
正面に見える通路……あの先か?
早足で通路に飛び込むと、先を塞ぐように黒服が3人立っていた。
やっぱり、すんなり通してはくれないよな。
「しょうがねぇな」
拳を構えるようにして、ミンクが俺の前に歩み出る。
「ひぇえぇぇ~!」
その斜め後ろでは相変わらずの及び腰で、慌てるクリアが居た。
「おい、先行け」
「え?」
こっちへ走ってきた黒服たちをミンクが拳で迎え撃つ。
ドカッという鈍い音が通路に響き渡り、ミンクは俺からクリアへ向けて声を張り上げた。
「早くしろ。ガスマスク、お前はこっちだ」
「なんでですか!? 僕もマスターと一緒に行きたいです!」
いや、クリア……それもどうなんだ。
呆れた眼差しで流し見る俺の横で突然ミンクがクリアの襟首を掴み、ぐいっと自分のそばへ引っ張る。
その鋭い目が俺を捉えた。
そうだ……ここは俺一人でも先に……!
「クリア頼む! ミンクの言う通りにしてくれ!」
「わかりました! マスターがそうおっしゃるならば!」
二つ返事でクリアが頷く。
そこへ黒服の1人が迫った。