第3章 モルヒネを追って
その行為しか知らないとばかりに、ただ淡々と俺たちに襲い掛かってくる。
それにさっき見た、あの人形みたいな目……
他の黒服全員がそうなのかと視線を巡らせると、複数の黒服たちとやり合う紅雀の姿が見えた。
「紅雀!」
傍へ駆け寄り、紅雀の背中側へ回り込む。
群がってくる黒服たちを俺が蹴り飛ばし、紅雀が太刀を振るう。と言っても峰打ちだ。
「蒼葉、コイツら……ドライジュースの連中だよな」
やっぱり、紅雀も……。
その言葉を聞いて、疑念が確信へと変わる。
「あぁ」
「なんだってコイツらが俺たちを……!」
ミズキの顔が脳裏を過る。
ドライジュースのコイツらが何故俺たちに襲い掛かってくるのか、理由は分からない。
だけどミズキやドライジュースのみんなが突然姿を消した真相は、きっとその理由が深く関係しているのだろう。