第7章 終・嘘つきとさよなら
僕はおそるおそる雷電君に問いかけた。 勝手に聞くな、とか言われて怒られないかな…
【聞いてたの? 恥ずかしいなぁ…、僕下手だから…】
雷電君は照れくさそうに笑った
怒らなかった
それよりも笑ってくれた
嬉しい…
こんな風に会話するのも風夜兄さん以来…
【ううん! 歌の意味とかは分からないけど、上手かったよ!!?】
【ホント? ありがと…//】
へへっと照れながら頬を掻く雷電君。 雷電君の声は綺麗でカッコいいから、きっとスッゴい歌手さんになれる!!
【…ねぇ、もっと歌って?】
【いいの? 下手だよ…?】
【下手じゃない! 僕聞きたいのっ! …ダメ?】
【…じゃあ、歌うっ!】
【やった!】
雷電君は次々と歌を歌ってくれた。 楽しい歌だったり、悲しかったり切なかったり、温かかったり…
【ーー…、…風夢?】
【…?】
【どうして泣いてるの…?】
【え…?】
雷電君に言われて僕は気付いた。 涙を流している事に…
【目にゴミが入っちゃったみたいっ…】
最近の僕は、泣いてばかりだなぁ…