第7章 終・嘘つきとさよなら
【僕…、風夢だよお母さん…】
【アラ、そうだったの? 本当にそっくりだからお母さん間違えちゃったわ…】
苦笑いしながら家事の続きをしに戻って行ってしまうお母さん
…お母さんは、僕より風夜兄さんの方が好きなんだよね…
部屋にこもって借りてきた絵本を僕は開く
部屋は風夜兄さんと一緒。 ベッドが二つ、机が一つ、イスが二つ、オモチャは二人で一緒…
…オモチャはほとんどは風夜兄さんがお母さんとお父さんにプレゼントされた物…
【ただいま】
声が聞こえた。 …風夜兄さんが帰ってきたのだ
【お帰りなさい風夜! 体調悪くない? 寒くない?】
【大丈夫だよ母さん】
心配そうに質問を飛ばすお母さんとそれを嬉しそうに返す風夜兄さん…
僕には、そんな事は聞かなかったのに…
【母さん、風夢は? 公園で隣のおじさんにお菓子貰ったんだ、風夢と半分こしようと思って!】
【あらあら、風夜は優しいのね? 風夢ならお部屋に居るわよ?】
【わかった!】
足音が部屋に近づいてきて、僕はすぐさま絵本を抱えてベッドの中に潜った