第17章 空っぽな私に
『っ、』
『おや......』
部屋から出るとヤツの姿があった。
『どうしてここにいる...』
『そんな目で見ないでくれ、私はたまたま近くに用事があってね。』
そういい俺の横を歩いていく。
『あいつ.........お前と離れてからずっと泣いてやがる』
俺がそう言うとやつの歩みが止まった。
『.........慰めるのは君の仕事なんじゃないかい?
リヴァイ』
以前の恋人が泣いているというのにもかかわらず毅然とした態度で振り向き、そう言い放ち去っていく。
『............チッ』
何を考えているんだ奴は。
お前らあんなに仲良かっただろう。
俺があいつを......アンを諦めようと考えるまでには。
そんな女が今泣いているんだぞ
しかもお前と別れたことで。
何故そんなに冷静でいられるんだ。
『......返せと言っても返してやらねぇからな』