第41章 冬での一時
~余談~
・悪夢
12月10日、それはケイトの父親と養父の死刑執行日であると共に命日。
その日、ケイトは悪夢を見た。
日が近いということで内心落ち着かず、18時半から19時半まで仮眠したものの
それで見たのはシノンに教えたように、親戚の集まりの中でも痛い思いをさせながら巧妙に隠すやり口だった。
「やめて」と何度も叫んで叫び続け、飛び起きた。
クレハ「ケイト、どうしました?大丈夫ですか?;」そっ
左肩に手が触れる中、私は震えが止まらなかった。
死んでもなお、離れた状態となってもなお、未だに苦しめるのかという想い。
その当時の助けて欲しいという願いでさえ、悉く何度も捻じ伏せられた気持ち。
結果、押し殺してあのように陥った地獄を。
ケイト「うあああああああああああああああああああ!
クレハ「!!ケイt
ケイト「あああああああああああああああああああ!!!!!!;;」
最初こそ呼びかけられた。
それでも…涙と共に泣き崩れ、何度も何度も叫び声をあげた。
終いには声が枯れていき、慟哭のような咽び泣きに突入していった。
その中、クレハは抱き締めたまま大丈夫だと言うように背中に手を回して抱き寄せ
何度も何度も頭と背を撫で続けてくれた。
1時間経ってやっと落ち着いた頃、やっと語り出せた。
そして「大丈夫です。私が護ります。私が危険な時、苦しかった時、何度も護ってくれたのはあなたでしょう?」と笑いかけてくれた。
その後、余計に嬉しく感じた私は泣いて泣き続け…
その間、メイドさんがミーの面倒を見てくれてたんだけども
それに気を留めるでもなく、晩御飯も食べないまま寝こけてしまった。
でもその次の日、11日にも夢を見た。昔の夢だった。
高2の時、「友達になろうか」と問われた時に嬉しくて頷いた頃のことだった。
一週間ほど付き合った結果、相手からの扱いは以下の通りだった。
保健体育の授業で移動の為の施錠を押し付けられたり、自分の聞きたい情報だけを根掘り葉掘り聞いたり、「都合のいいだけの人」という認識の扱いしかなかった。
そんなのは…自分の思い描いた「友達」というものでは決してなかった。
後になってお断りした結果、「悪い認識や噂を広める」「今後近付かないでと話し友達に言ってた」などの嫌がらせしかなかった。