第1章 Linaria~この恋に、気づいて~
……………………は?
え?
な、な、な、何言ってくれちゃってんの、コノヤローはっ!
え、コレって死亡フラグ!?
また、死ぬの!?
私に死ねと言うのか!?
あの声でそのセリフは私にとってはクリティカルヒットな訳で、熱くなる顔が更に熱を帯び、きっとゆでダコの様に真っ赤になっているに違いない。
「だぁっ!違うっ!あ、違わないっ!!」
土方さんも言葉の選択の誤ちに気付いた様で、顔を真っ赤にして慌てて訂正するも、動揺し過ぎて言葉が見つからない感じだ。
傍から見たら初々しいカップルに見えるだろう。
「あー、その、アレだ…」
頭をワシャワシャと掻きながら次の言葉を見繕う。
そんな姿に萌えた事は私だけの秘密だ。
ドキドキしながら言葉を待っていると土方さんは深呼吸を数回し、私に話しかけた。
「行く所、ねぇんだろ…?」
だったら、俺らの所へ来いよ。
保護してやる。
そう言った土方さん。
つまり、真選組に来いと言う事で合っているのだろうか。
確かに私は向こうで死んだ。
そしてこの世界にトリップしてきた。
どちらにせよ、向こうにもこちらにも私の居場所なんてある訳が無いのだ。
でも、何故私に行く場所がないと知っているのだろう。
「なぁ、そう言えば…」
私は土方さんの声でハッと我に返る。
どうやら長い間考えていたみたいだ。
「俺は土方十四郎だ。好きに呼んでくれて構わねぇ」
アンタの名は…?
私は土方さんに名前を問われる。
個人的にはトッシーと呼びたい所だが、そんな事言ったら上等だコラ、表出ろと言われるに違いない。
私はゼスチャーで声が出ない事を伝えると土方さんは手当り次第ポケットを探り、書けるものを取り出した。
ヨレヨレになったメモ帳とペンを受け取ると私は自分の名前を書いた…。