第1章 Linaria~この恋に、気づいて~
儚い、
この言葉はきっと貴女の為にある。
貴女があの人を見つめる瞳がとても切なくて、僕まで切なくなるんです。
僕は人一倍回りを見ているので直ぐに解っちゃうんですよ。
だからあの人が貴女の…。
それ以上、言わないで…って…す、すみませんっ!!
もう何も言いません!
…でも、僕は貴女が良いです。
だから、貴女があの人の傍に居てやって下さい。
貴女なら、あの人の心の闇を救ってあげられると思うんです…。
僕もあの人が寂しそうな顔は見たく無い。
勿論、貴女のも…。
【Linaria…7】
「大分、声が出る様になったね」
ちゃん。
そう言われ私は元気良くハイと応える。
私が入院してる間は土方さんではなくてあの山崎退さんが何かと世話をやいてくれた。
いやー、ジミーだよ。ジミー。
地味だけど、なかなかカッコ良くてクラクラしてしまう。
山崎さんはほぼ毎日私の所へやって来ては世間話や屯所での出来事とか話してくれて、私を退屈させない様にしてくれた。
本当にポイント高いぞ、ジミー。
まぁ、大体は沖田さんと土方さん、後ゴリ…近藤さんの話だけど、あの銀魂の住人のリアルタイムな話なんて夢のまた夢!
それにジミー…山崎さんの話し方も意外と上手で私は時間も何もかも忘れて彼の話を夢中で聞いていたんだ。
だけど、たまに向こうの事も思い出してしまうのは仕方ない事。
知世の事、両親、仕事、それから…。
あ…そう言えば、今原作ではどの辺りになるんだろうか。
私が加わったから原作通りとは行かないだろうけど…。
何か、思ったよりも考えなくてはいけない事が沢山あるな。