第1章 闇色夢綺譚~花綴り~
【※繋、裏切りの序章】
「んっ…はっ…」
何でキスされているのか解らなかった。
土方さんに見つめられてから記憶が無い。
「名前…もっと、俺に委ねろ」
そう言った土方さんは私の口を無理矢理こじ開け、舌をねっとりと絡ませる。
「はぁ、…んっ…っ」
彼の口付けは、
麻薬と同じ。
どうしよう、身体の奥がじわりと熱くなって来た。
私、キスだけで感じてる。
「はぁ…っ」
互いの唇が離れると、まだ足りないと言う様に互いの口から溢れる銀の糸が二人を繋ぐ。
「なんだ、これだけでいっちまいそうな顔してんぞ」
な、何て事を言うの、この人はっ!
言い返したいのだけれど、私は声が出ないし、身体中が痺れて言う事が利かない。
「だから他の野郎にも目を付けられる…」
そんな顔すんのは俺だけにしろ。
そう言い、立ち膝だった私をゆっくりと押し倒した。
「…細ぇーな。ちゃんと食ってんのか?」
既に緩くなっていた胸元を広げ、そんな事を言ってくる。
寝ていた期間は無理だったけど、今はちゃんと食べてますっ!
って、何してるんですか!
私は必死に土方さんに伝えようとするも、やはり無駄な事。
彼のしなやかに伸びた指先は、私の身体の隅々まで掻き乱す。
「…あっ、っ…ァっ」
どうなっているの、私の身体。
熱くて、熱くて、どうにかなりそう…。
だって…さっきまではじんわり程度だったのに、今はこんなにも土方さんが欲しいと思っている。
理性を失いそうになる…。
違う、理性なんて…ない。
私の意思なんて関係無しに動いている…。
「…そろそろ、か」
何を言っているの?
「本当はこんな事なんざ、したくはねぇんだ…」
解って、くれ…。
「ああぁっ‥‥!」