第1章 闇色夢綺譚~花綴り~
【今、感じるままに】
「んっ…っ…!」
何で、キスしてるの?
頭が真っ白になった。
沖田総司は角度を変えながら何度も何度も私の唇を塞いで行く。
「その、顔も…」
次第にそのキスは深みを増して私の吐息が漏れる。
「っ…ん…っ」
このままだと私は意識ごと沖田総司にもって行かれてしまう。
だけど、身体が言うことを聞いてくれない。
「僕のだよ」
どうしよう。
キスだけで感じている。
「っ、はぁ…ハァ…っ…」
離された唇から出来るだけ多くの酸素を求める。
やだ、眩暈がしてきた…。
「この恰好、良いよね」
僕は好きなんだけど。
え、この恰好って…
「っ!!」
キスされていたのは解った。
だけど私が沖田総司の膝に跨っているなんて、思ってもいなかった。
そして、先程のキスで私が身に纏っていた着物はぐちゃぐちゃで胸元なんか丸見え。
隠したいのだけれど、沖田総司に両腕を拘束されていて捩れば捩る程に着物は着物の意味がなくなって行く。
「やっぱり結構あるんだ…ココ」
そう言った沖田総司は私の胸に顔を寄せ、膨らみに舌を沿わせた。
「っ…ッ!!」
その瞬間、私の身体が震える。
どうしよう、気持ち良い…。
「…っ、君ってさぁ…」
そう言って拘束されていた手がゆるゆると解かれ、私の胸元へと伸びる。
思わずビクって身体が跳ねてしまうのは仕方無い。
次は何されるのかと思っていると、沖田総司は私の着物の併せを整え始めた。
「…ッ」
私は目を見開き沖田総司の手から翡翠の瞳に視線を移すと、あの嫌味ったらしい笑顔が私を捉えた。
「もっと欲しかった?残念だけど、もう直ぐ君にお客さんが来るからね」
何なら夜に続きでも、する?
そんな事をあの甘い声で囁いて来た。
その瞬間、沸騰したみたいに顔が熱くなり、首が取れるんじゃないかと言うくらい振りながら沖田総司の上から飛び退いた。
「ククッ…じゃぁ、ね…」
そう言ったと同時に廊下から声がかかった。
「あー、俺…原田って言うんだけど…」
入って良いか?