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2人の距離

第1章 2人の距離



「失礼しました。」と言って出て行くと皆んなで手を振ってくれてそっと扉を閉めた。
閉めた後思わずふぅ。と溜息をついてしまう。

勢いで来たもののニノさんとはなるべく目を合わさないようにした。
いつまで連絡寄越さないんだと目で訴えられても勝てる気がしなかった。

扉から離れて雪乃さんの楽屋に戻ろうとした時さっき閉めたはずの扉が開きニノさんが出て来た。


「「あ」」

思わずハモる2人の声。
そしてフフッとニノさんに笑われた

「なんか前にもこんな事なかったっけ?」
ですね。と返すとまたフフッと笑って

「そうそう。俺さ。忘れてたんだけど。聞くの。」
携帯を持ちながら軽くふるふると掲げる仕草をするニノさん。

「自分の教えて満足とかさ。全然意思疎通出来てないじゃんな」
そういうニノさんに思わずあはっと吹き出してしまった。


良かった。
連絡してくれよとか言われなくて。
普段通りのニノさんに安心した。

そしてニノさんの携帯を拝借してアドレスと電話番号を打ち込む。
携帯を返し確認すると満足そうに微笑んだ

「どーも。…急な飲み会とか大丈夫?」
遠慮めに聞いてくるのは多分ヒロトの事で聞いてるんだろう。

「時と場合なんで遠慮なく誘って下さい」
ニコッと笑いながら言うと、そしたら無理なら遠慮なく断って下さい。と言われた。

ニノさんはその後じゃーな。とまた楽屋に戻っていった。
あれ?私を追いかけに出て来たのか。と思わずクスっと笑ってしまった。



雪乃さんの楽屋に戻りヘアメイクをしていると
「由梨ちゃんなんかご機嫌だね。」と雪乃さんに言われるくらい機嫌が良かった。

そうですか〜?
とだけ返してそのまま仕事を続けるとこの件に関しては取り合わない事が分かったのか違う話題をふって来た

雪乃さんはそういう気遣いも中々絶妙でいつも気持ち良く働かせて貰ってる。
今は色んな物を見て吸収したいので専属になる気は無いけれどいつかまたお話しを貰ったら考えてみようかなと思った。
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