第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~
「石田様が左近がサボって居るのを見つけたら」
私に報告しろ。刹那に斬滅してやる、って…
私は身動ぎながらも彼に言い切った。
………………。
「っち…。何だよ、せっかく良い所だったのに」
ちぇっと口を尖らせながら彼は頭を掻きながら起き上がる。
私はよし、今度こそ流されずに済んだぞ!と小さくガッツポーズをしながらほっと胸をなで下ろした。とは言ってもしちゃってる事実は変わらないのだが…。
「は、早く行かないと…ね?」
そう促してやると彼は渋々準備にかかる。ある程度支度が整うと私の目の前に座りちゅっとリップ音と共に一つキスを落とした。
「今夜も…」
良い?と彼は問う。
私はその瞬間顔が真っ赤になりあわあわとしながらも頷いてしまっていた。
「じゃ、約束なっ」
また、一つキスをくれる。
彼の一つ一つが嬉しい。そして、私と彼の気持ちが蝶々結びのように繋がった様な気がした。
一人で平気なのか、と彼は心配してくれるも、この状態では直ぐに動く事が出来ない。
私は薄い布一枚掛けた状態でモジモジしながら目で訴えてみると彼は理解して、私の額にキスをして行ってしまった。
「…あ、危なかった…」
って今夜約束してしまったではないか。はぁ、とため息を付いて散らばった着物をかき集めていると何処からか人の気配がした。
「だ、誰っ!?」
かき集めた着物で身体を隠すと声が聞こえてきた。
「あーら、良い眺めだねー。結構良い身体してんのね、アンタ」
そして、良く分かったね。名前ちゃん…。