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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ


何時もならば自室で日輪を掲げるのだが、今日は行かなければならぬと風が我を誘い、この瀬戸内に足を運んだ。

何時もと変わらぬ美しい風景に穏やかな日輪の光。

我の一日はこの光と共に始まるのだが、今日に限り、一つだけ妙な事があった。


「妙な…空間が微妙に歪んでおる」


何時もと変わらぬ筈なのだが、我が立っている目の前だけ歪んでいたのだ。
言うならば、別空間。
その空間に若干の亀裂が生じ、その向こう側は別の物が見え隠れしていた。

「闇…か?」

我はその闇に触れようと手を伸ばす。
伸ばすと言うよりも、自然に手が伸びていたと言うべきか。
指先がその闇に触れた時、闇とは真逆の眩い光となり我を包んだ。


「つっ!!」


包まれた瞬時に耳鳴りが我を襲う。
やはりこれは罠であったかと武器になる物を手探りで探すも、我の姿は着流しのみ。
武器は生憎自室に置いたままだ。

この闇に飲まれるか…。

否、我は成さねばならぬ事がある。
この、毛利の為に、安芸の為に…。



気を失いそうになるのを堪え、足元の砂を握り締める。
殺傷能力などはないが、目くらまし程度にはなるであろう…。



だが、それは使う事はなく我の手から零れ落ちて行った。



「此処は、何処…?」



闇と光の狭間から現れたのは、



淡い翡翠の色を纏った女、後に名前と名乗る。




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