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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~


【陸】







俺様と名前ちゃんが甲斐に着いたのは虎の刻を過ぎた頃だった。
辺りは大分明るくなり早い者は起きている時刻。
とりあえず俺様は起きていた者に客間に布団を敷いてと頼み、そこに名前ちゃんを寝かせた。

アレから名前ちゃんは一度も起きていない。
俺様は死んだように眠る彼女を見詰めながらあの事を考える。

俺様とかすがは忍だ。

普通の人間より鼻は効く。
かすがに言われて気付いたのだけど、あの時彼女からあの甘い話の様な匂いはしなかった。

「んー、バサラに目覚めたのと関係あるのかねぇ」

彼女の頬にかかる翡翠の髪を流してやる。
初めて彼女と逢った時は長くて綺麗だったのに。
今でも十分綺麗なんだけど。
そう思いながら彼女の前髪をかき上げ露になった額に唇を落とす。

「っッ!」

俺様は何をやっているんだ…。

じわりと唇に熱が帯びる。
もう彼女からはあの匂いはしてなかった。
だから引き寄せられた訳でもない。
それに、最初はあの匂いにやられたけど " 堕ちた " 訳でもなかった。

可愛いし、良い身体に良い反応。

俺様の性処理に丁度良いと、そんな感じだった。

だから初めて逢った時に俺様は言った。


" また、相手して "


まぁ、それは凶王さんやら軍師さんやらで叶わなかったのだけれど。

あの時、彼女の目には俺様はどう映ったのだろう。

あの時から俺様は彼女が気になって仕方なかった。

気付いた時には遅かったけど…


俺様は…


" 彼女に嫌われたくない "



ホント、遅いよね。


" ヌシはまだ、囚われていない "


大谷の旦那は俺様にこう言っていたけどさ…







十分囚われてるじゃないの。

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