第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~
【※thirty-second.】
昨夜の出来事は君と言う名の幻想?
それとも…
「…夢では、ない…」
隣を見ると気持ち良さそうに寝息を立て、ぐっすりと眠る君。一糸纏わぬ姿なのは昨夜の出来事を艶めかしく物語っていた。
彼女の白く透き通った素肌。それは僕を求めて淡い紅色に染まる。
美しく、艶やかに。
少女だと思っていたが、いつの間にか大人の女性になっていたのだなと感じた。
あの時は義務付けられた様に君を抱いた。
そうすれば、僕は…。
否…始めから僕は君に惹かれていたんだ。
君に逢う為に、君の世界に連れて行かれた。
そして、君と僕は重なった。
僕と、君は、表裏一体。
もう、離さない…。
誰にも、渡さない…。
僕の刻が、許す限りは、
僕だけのモノ…。