第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~
どうしよう…。
わたし、きっと物凄い変な顔をしている…。
お酒なんて飲んでいないのに、物凄く真っ赤だ。
このまま、茹だって蒸発しそうな勢い。
ねぇ、わたし、自惚れて良い?
わたしの溢れそうな気持ち、言葉にして良いの?
もう、我慢出来ないよ…。
「だが、我の娘だ。何処にもやるつもりは無いが」
って、えぇー。
前言撤回。
わたしに超えられない壁が出来ました…。
その後、秀吉様の言った事が冗談だと分かり本当かよと疑いつつも、納得する事にした。
あの様子だと本当にやりかねない。
まぁ、良いや。
それよりも重治さんは何処に行ったのだろう。
「半兵衛なら廊下に出て行った」
すると、秀吉様が重治さんの居場所を教えてくれた。
此処の人達は心が読めるのでしょうか。
わたしは秀吉様に少しだけ席を外す旨を伝え、廊下に出る。
戸を開けると丸ではないが、美しい月がわたしを迎えてくれた。
今日も寂しそうなお月様。
アナタは何を願う?