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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~



彼女だった。
まるで私と初めて会うかの様に、ぎこちなく私の名を呼ぶ。

ツキン…。


" 三成さん "



ズキン…。

たったこれだけで胸が張り裂けそうに、痛い…。

「…君は今日から秀吉の娘になったんだ」

様は要らないよ、と半兵衛様は名前あぁ、もう名前ではないな…。
名前姫様に向かって仰った。
すると、彼女は困ったように顔を顰めた。


秀吉様の娘、か…。


私も名前では呼べなくなってしまった、のだな…。

「名前、姫様…」

先程、心の中で呟いた名前を言葉にして呼ぶと、目を丸くさせていた。

「あぁ、やっぱりそうなるのね…」

実感沸かないし、慣れないよ…。と苦笑い。

刑部の言った言葉が頭の中を駆け巡る。

" 超えられない壁がまた一つ "

正にその通りだ。

秀吉様、半兵衛様。

そして、姫様…。


私は一体、どうしたら良いのだろうか。




今にも泣きそうな月よ。



お前の願いは何だ…。



私の願いは…。
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