第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~
【second.】
熱い…
脚が、熱い…。
寒い…
身体が、寒い…。
此処は、何処…。
痛い…、痛いよ…。
「気が付いたかい?」
あ…
「話さなくて良いから」
何故、アナタが…。
「良いかい?今からキミの足の…」
刀を抜く。
わたしは彼の言葉が理解出来なかった。
刀?何それ。
今はそれ所ではない。
身体はダルイし、手首と足首はヒリヒリするし、何よりも脚が異常な程熱くて、その熱が身体中を駆け巡る。
「…っくぅッ!」
脚を動かそうとすると、激痛が走る。
何なの、コレは…。
先程の彼の言葉…。
足に刀…。
「あ、な、何で…」
彼を待っていただけなのに、どうして…。
「少しの間、我慢していてくれ…」
そう彼は言い、最後に済まないと囁いた。
その瞬間、わたしの 身体は布団に縫いつけられ、身動きが取れなくなった。
「!?」
そして頬を掴まれ口の中に何かを押し込まれた。
「痛みで噛み締めて舌を噛み切る恐れがある!」
彼はわたしの上に跨り、動かない様に体重をかける。
「んーっ!!ん!!」
わたしは恐くなり、必死に助けをもとめるも、口は塞がれている為、声にならない。
「キミの為だ!我慢してくれ!」
わたしも必死だが、彼の方が辛そうだった。
何故、アナタの方が辛そうな顔をしているの…。
わたしは彼を信じ、抵抗を辞め、彼に身を任せた。
それが合図になり、彼が声をかける。
「始めてくれ!!」
その瞬間、わたしはわたしではなくなった。
部屋中にわたしの声にならない悲鳴が響く。
止めどなく、涙が溢れる。
痛いのか熱いのかもう良く分からなくて、ただ
赤子の様に泣き叫ぶ事しか出来なかった。
歪む、
霞む。
美しい筈のシロが、
灰色に、染まる。