第18章 くりすますをあなたと(三成)
「うーん。目一杯のおめかしは失敗でしたね…。
通りの人が皆さん愛様を見ていきます」
三成はなるべく愛を隠すように歩いているのだが、
町中でも人気のある三成と、すっかり着飾った愛は、
どうしても人の目をひいてしまう。
『ち、違うよ。みんな三成くんを見てるんだよ…』
「いえ、愛様ですよ。
他の殿方に見られるのは、なんだか…」
『どうしたの?』
「いえ…。私のものと思われるのは、
悪くない気もします」
『ちょっと!』
ギュッと力を込められた手を、愛は照れながらも握り返す。
『どこに行くの?もうすぐ暗くなるけど…』
話題をそらそうと話しかけると、
三成は最高のエンジェルスマイルを投げかける。
「佐助殿が言うには、きすのちゃんすが訪れる場所です」
『キっ…!!
み、三成くん意味わかってるの?!』
真っ赤になった愛を不思議そうに見つめながら、
「いえ、全然わかりません。
でも、素敵なところという意味でしょ?」
と、キョトンとした三成が言う。
(もぉぉぉぉ!佐助君、何を三成くんに教えたんだろうっ)
愛は、下手に聞かない方が身のためな気がして、
その後は他愛もない話をしながらひたすら三成についていった。