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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第18章 くりすますをあなたと(三成)


『ちょ、ちょっと、政宗、何処行くの?!』


手首を引かれたまま、ズンズンと進んで行く政宗に、
愛が抗議の声をあげる。



「黙ってついてこい」



引っ張られる手について行くのが精一杯で、もっている荷物が人にぶつかってしまう。



『あっ、すみません…』



その声に、政宗はふと足を緩める。



「悪かったな。それよこせ」


そう言うと、愛の持っていた包みをヒョイと持ち上げた。

『ありが…とう』


「今から俺の御殿に行く。
いきなりぶっつけで作れないだろう。
くりすますの料理、作るんだろう?」


思いもよらない政宗の言葉に、愛は目を丸くして驚く。


『え?クリスマスの?』

「さっき、佐助に色々もらってただろ。
あれ、俺にもちゃんと見せろ。
練習がてら、作ってみればいいだろう」


(そっか、政宗はお料理得意だから、ケーキが気になってるんだ)


愛は、ひとつクスリと笑うと、


『じゃあお言葉に甘えて作らせてもらおうかな。
この時代の道具で、どこまでできるかも、配分も全然わからないから』



「なに笑ってんだよ。俺は付き合ってやるだけだからな」


『ふふふ、わかってるって。ありがとう』



「何か必要なものはあるのか?」



『そうだな…、まず小麦粉と…
あ、ケーキを焼くのに、型はどうしよう…
できれば、丸いのがあればいいんだけど…』


「焼き型か…まぁ、無くはないな。
とりあえず、御殿についたら、いくつか出してやる」



なんで急に連れ出されたのかがわかった今、
三成が喜んでくれるようなケーキを作ろうと心に決めた愛は
足取りも軽く政宗について行く。



「これはどうだ?鉄器だが、丸は丸だろう」


政宗が御殿の台所につくと出してくれたそれは、
重い鉄器でつくられた鍋で、真ん中に穴が空いている形をしていた。



『凄い!これで焼けたら、リースの形にできるよ!』


「りーす?なんだそりゃ」



『うんと…クリスマスの飾りの一つなんだ。
これでうまく焼きたいな…やってみていい?』


「おう。材料無駄にしないように気をつけろよ。
折角佐助が用意したんだろ」


『できれば一発で成功させたい…』


愛は興味津々な政宗の隣でケーキ作りを始めたのだった。

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