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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第18章 くりすますをあなたと(三成)


『佐助君、ありがとう』


愛は自分の手の中の湯呑みを見つめて呟いた。



『私、どうしても現代のクリスマスを思い出しちゃって、
なんか寂しい気持ちになってたんだよね…』



「うん」



佐助は、ゆっくりと愛の次の言葉を待った。



『三成くんと、二人でイルミネーション見たり、
クリスマスの街の中をデートできたら、どんなに幸せなんだろうって…』



「君は、クリスマスの季節が大好きだったものな。
ずっと俺たちのクリスマス会でも、いつか大好きな人と二人で…って言っていたし」



現代にいた頃の、兄妹とその親友、いつも四人で迎えていたクリスマスを思い出す。


『私にとっては、クリスチャンでもないクリスマスだけど、
あったかくて、幸せになれて、ワクワクする日だったから』


そういいながら、脇に置いた風呂敷包みをそっとあける。



『はい!私からのクリスマスプレゼントだよ』


そう言うと、フワッと佐助の首にかけた。


「これは…襟巻きか。うん。とってもあったかい。
ありがとう」


『ふふっ。どういたしまして!
この位しか作るの間に合わなくてごめんね』


「え?これ作ってくれたの?
いや、これで十分だ。君の気持ちが嬉しいから」


そう言うと、佐助は巻かれた襟巻きをしっかりと結んだ。

その時…



「おい、愛」


急に呼ばれた愛は、勢いよく振り返る。



『え?!政宗?
み、三成くんも…どうした…の?』


「どうしたのじゃない。
話は聞かせてもらった。悪く思うな。
今からお前に話がある。愛を借りるぞ」


政宗は愛の手首を掴み、すっと立ち上がった。


「政宗様!どちらへ?」


その様子に慌てる三成。


「愛様、佐助殿、申し訳ありません…盗み聞きのような真似を…」


『べ、別に聞かれて悪いことは…あ…』


愛はクリスマスについて、三成に大した事ではないと言っていたのを思い出す。


「俺も、聞かれて悪い事も、後ろめたいことも無いから大丈夫ですよ」


佐助が淡々と答える。


「じゃあ、三成は佐助にしっかりクリスマスにする事を教えてもらうんだな」


そう言うと、政宗は愛を引っ張るようにその場を立ち去った。
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